歯科矯正用アンカースクリュー

Anchor screw

歯科矯正用アンカースクリュー

歯科矯正用アンカースクリューとは

歯科矯正用アンカースクリューとは

歯科矯正用アンカースクリューとは、矯正治療に用いる小型の「ネジ」のことです。 歯を動かす際の固定源として利用されます。では、固定源とは何でしょうか。

歯を移動させる方法

歯を移動させる方法

これまでの矯正治療では、前歯と奥歯の間にゴムやバネを使って歯を引っ張り、移動させる方法が一般的でした。
しかし、前歯の突出や歯並びの乱れが大きいケースなどでは、固定源である奥歯まで動いてしまうことがありました。

その結果、予定通りに歯が動かない、時間のロスが発生するなどの不都合が起こり得ます。

ヘッドギアを使った従来の方法

ヘッドギアを使った従来の方法

このようなケースでは、ヘッドギアなどの装置を用い、奥歯を後ろの方向へ動かします。

しかしヘッドギアは主に夜間の使用に限られるため、装着する時間が不十分だと治療効果が得られにくく、治療期間の延長につながることもあります。

新しい選択肢
歯科矯正用アンカースクリュー

新しい選択肢 歯科矯正用アンカースクリュー

このヘッドギアの弱点を克服したのが、歯科矯正用アンカースクリューです。 小さなネジを歯茎から顎の骨に埋め込み、そこから直接力をかけることで、ヘッドギアを使わずに奥歯をしっかり固定できます。

アンカースクリューはご自身での取り外しの必要がないため、より効率的で確実な歯の移動が可能です。

痛みはほとんどない

患者様が心配されるのは痛みについてですが、実は歯科矯正用アンカースクリューはほとんど痛みはありません。

とても小さい

歯科矯正用アンカースクリューは非常に小さく、直径は1.4〜2.0mm、長さは6〜10mm程度です。 ピアスのようなサイズ感をイメージすると分かりやすいでしょう。

局所麻酔で埋入

局所麻酔をして、数分で埋入は完了します。大掛かりな手術などはありませんのでご安心ください。

すみやかに取り外す

一般的なインプラント(人工歯根)とは異なり、矯正治療の間のみ一時的に使用し、治療終了後はすみやかに取り外します。 1~2日で歯茎が回復し、骨も約1か月で再生されます。

メリット

歯列矯正において、この歯科矯正用アンカースクリューを使用することで、多くのメリットがあります。

矯正治療がスムーズに進む

歯科矯正用アンカースクリューを歯茎の骨に直接スクリューを埋入し、そこから力を加えます。このため、確実な歯の固定が可能になります。

難しい方向への移動が可能

これまで難しかった方向への歯の移動が可能になり、より正確な歯の位置調整ができます。

ヘッドギアなどの装置が不要

矯正治療ではヘッドギアを装着する場合がありますが、アンカースクリューを使用することでその必要がなくなります。 これにより、患者様の負担を軽減し、治療の協力度に左右されにくくなります。

抜歯の可能性が低くなる

歯科矯正用アンカースクリューを活用することで、歯を抜かずに矯正治療ができるケースが増えます。 歯をできるだけ残したい方にとって、大きなメリットとなります。

外科矯正治療を回避できる可能性がある

通常、骨格のずれが大きい場合には外科的な矯正治療が必要になりますが、アンカースクリューを活用することで、手術を避けられる可能性があります。

より良好な治療結果が得られる

治療目標をより高い水準で設定でき、歯の位置調整も精密に行われます。 その結果、より理想的な歯並びや噛み合わせを実現できます。

治療期間の短縮

アンカースクリューを用いることで、通常よりも短期間で効果的な矯正治療が可能になります。

デメリット

外科的な処置が必要

アンカースクリューは、歯茎の骨に埋め込むため、簡単な外科処置が必要です。

約10%の確率で脱落する可能性がある

脱落した場合は、再度埋め込むことができます。 しかし何度も脱落を繰り返す場合は、口腔外科をご紹介する場合がありますのでご了承ください。

治療終了後に取り外す必要がある

ほとんどの場合、麻酔なしで簡単に除去できます。

スクリューの強度には限界がある

強い力がかかると破損する可能性があります。

歯と歯の間が狭い場合、歯を傷つけるリスクがある

事前に適切な診断を行い、安全に埋入する必要があります。

毎日のケアを大切に

毎日のケアを大切に

アンカースクリューは非常に有益な装置ですが、口内の清潔を保つことが重要です。 清掃が不十分だと、スクリュー周囲の歯茎に感染が生じ、不安定になったり、外れてしまうことがあります。

スクリュー周囲を丁寧に清掃するため、タフトブラシなどの専用の道具を使って、丁寧にクリーニングしてください。 当院の歯科衛生士が、適切な清掃方法をお伝えさせていただきます。

費用・料金表

矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自費診療(自由診療)となります。

費用・料金はこちら

よくある質問

Q. 痛みはありますか?

A. いいえ、ほとんど痛みはありません。 埋入の時には局所麻酔を使用します。 また取り外すときは麻酔を使うことがほぼありません。

Q. 違和感が心配なのですが?

A. 初めて模型で見ると驚かれる方も多いのですが、埋入した直後の違和感は最初だけで、徐々に慣れていきます。 患者様にお聞きしても、ほぼ気にならないとのお声がほとんどですので、メガネと似ているかもしれません。

Q. どこで埋入するのですか?

A. 当院の診察チェアの上で、診療時間内でおこないます。 数分で終わる処置です。

Q. 取れることはありませんか?

A. 実は約10%の患者様が脱落を経験されます。 スクリューがだんだん緩んでくるように感じたらお知らせください。 また、もし抜けてしまっても、再度埋入することができます。

ただし脱落を繰り返す場合は、口腔外科をご紹介する場合がありますのでご了承ください。

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