後戻りについて

Relapse

矯正治療後に歯が動くことを、全て矯正治療による後戻りというわけではありません。

矯正治療の後戻りとは?

  • 1)歯の移動に伴って歯の周りの組織(歯肉、歯根膜etc.)が伸びています。伸びた歯の周りの組織が戻ろうとして、歯 も一緒に元の位置に戻ろうとする移動。(約2年程度でおさまります。
    【個々の歯が治療前の位置に戻ろうとします。】
  • 2)治療が終了しても成長が残っていた場合。その残りの成長によって、顎自体の位置が変わって咬み合わせが変わる。 成長が止まれば大丈夫です。
    【上下のあごにおいて、最後の成長は下あごだけを前方に移動(成長)します。成長後期に起こります。】
  • 3)口の機能には、物を咬んだり話をしたりそれ以外にもさまざまな機能があります。その機能が損なわれて起こる歯の移動。
    【あごを動かした時に、上下の歯が斜めに咬むと歯の傾斜が変わってきます。】
  • 4)親知らず( 第3大臼歯) によるもの。(骨の中に埋まっていても起こります)
    【親知らずが、前の歯を押した場合。】

矯正治療によって起こる後戻りは、矯正治療を受けた人には大なり小なり発生します。無理な非抜歯治療は、後戻りのリスクが高くなります。適切な診断のもとでの抜歯・非抜歯のいずれの治療法でも、約2年間程度の後戻り防止装置(リテーナー)の使用により矯正治療の後戻りを防ぐことができます。この期間が過ぎると矯正治療による後戻りはほぼ起こりません。

しかし、矯正治療を受けられても、生涯にわたってその歯並びを維持できるわけではありません。矯正治療の後戻り以外にも歯が動く原因があります。これは矯正治療を受けた人だけに起こるものではなく、全ての人に言えることです。また、無理な非抜歯治療をおこなった場合、後戻りしやすくなったり、後戻りの量も多くなることがあります。矯正治療の後戻り以外の歯が動く原因にもなりやすくなります。

  • 1)歯ぎしり、食いしばり。
  • 2)歯を取り巻く組織(はぐき、骨)の病気(歯周病)。
  • 3)悪い姿勢。(ほおづえ)
  • 4)悪習癖(鉛筆、はし,つめ等を咬む,指を吸う)。
  • 5)不適合な詰め物、かぶせもの。
  • 6)あごの関節の異常。
  • これらの問題に対しては、矯正治療後、主治医を決め4~6か月程度に一度(受診の頻度は人によります) 定期健診を受けることにより防げます。
  • 加藤理事長
  • 無理な非抜歯治療をおこなった場合、10年、20年という長い目で見た場合、歯槽膿漏になったり。
    歯ぎしり、食いしばり等により歯の移動が始まった場合に、歯並びが大きく崩れてしまうことがあります。歯並びの崩れは再治療により並べ治すことが可能な場合もありますが、歯ぐき、骨(歯槽骨)が退縮した場合は、現在のところ治療法はありません。無理な非抜歯治療には、多くのリスクを伴います。これらの点について、治療を受ける前に医師とよく相談して治療を受けてください。

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