手術は避けたい…
カモフラージュ治療という選択肢

カモフラージュ治療とは、本来であれば外科手術が必要とされるような骨格的な不調和(顎変形症など)に対して、歯の位置や傾きを調整することで、見た目や噛み合わせのバランス改善を目指す矯正治療です。
カモフラージュ治療の仕組み
たとえば、下顎が前に出ている「下顎前突(受け口)」の場合、カモフラージュ治療では上下の前歯の傾きを調整します。
- 上の前歯をわずかに前方へ傾ける
- 下の前歯を後方へ傾ける
このように歯の傾きを変えることで、手術による骨格の修正をおこなわなくても、ある程度の噛み合わせの改善が期待できるケースもあります。
自然な歯の傾きを利用した
矯正アプローチ
カモフラージュ治療では、もともと身体が自然におこなっている「デンタルコンペンセーション(歯性補償)」という現象を踏まえ、その歯の傾きをさらに意図的に調整することで、機能性と審美性の両立を図ります。
デンタルコンペンセーション
(歯性補償)とは
「デンタルコンペンセーション(歯性補償)」とは、上下のあごの骨格にズレがある場合に、歯が自然に傾斜してそのズレを目立たなく補おうとする適応反応です。
たとえば、下顎が前に出ている場合、上の前歯が前方へ、下の前歯が後方へ傾くことで、噛み合わせのズレを調整しようとします。
また、下顎が右にずれている場合、下顎の右側の奥歯は内側(舌側)に、左側の奥歯は外側(頬側)に傾き、下の前歯は左側に傾くことで、噛み合わせのバランスを保とうとします。 これがデンタルコンペンセーションです。
デンタルコンペンセーションが
起こる要因
このような自然の歯の傾きは、骨格的な要因に加え、舌や唇、頬の筋肉などの口腔周囲の力のバランスによっても影響を受けています。