子どもの受け口について
子どもの受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている歯並びのことです。
正式には「下顎前突」や「反対咬合」といいます。
反対咬合
反対咬合とは、前歯が正常とは反対になっている状態です。
上下顎前歯3歯以上の前歯が正常とは反対にかんでいます。
機能性下顎前突
歯が接触することにより、下顎が本来噛みたい位置とは違う位置(前方)に誘導されることが原因です。
3歳児前後から反対咬合が見られますが、骨格自体には異常はありません。
骨格性下顎前突
下顎の骨が過剰に成長したり、上顎の骨の成長が不十分なことが原因で、下顎が前に出ている状態です。
顎顔面部の不調和が、小学生の頃はわずかであっても、中学・高校生になってから、つまり思春期成長により突然、予想できない成長として現れ、反対咬合になる場合があります。
受け口の原因
遺伝する歯並びや骨格の問題以外にも、本来正常に咬合できる上下顎関係があるのに、次のような原因で、受け口になっている場合があります。
良くない癖や習慣
指しゃぶり、爪かみ、歯を舌で押す、頬杖。
食べ物を前歯で噛むなどの毎日繰り返される癖は、不正咬合の原因になります。
かむときに前に
誘導される
下顎が大きいことが原因ではなく、食べ物をかむときに下の歯が前に誘導されることで、かみ合わせが変わってきます。
口呼吸など
鼻呼吸ができずに口呼吸になったり、舌の運動がうまくできないことで、受け口になる可能性があります。
突出嚥下
食べ物を飲み込むときに、舌を前に突き出したままになることで、受け口を引き起こします。
受け口を放置するリスク
受け口は、見た目だけでなく、噛み合わせや発音、顎関節への負担にも影響を与えるため、早めの診断・治療が重要です。
骨格の変化
受け口を放置すると、体重の増加とともに咬合力(かむ力)も強くなり、それに適応するために下顎骨だけでなく、頭蓋骨を含む顔の骨格全体が変化していきます。
この変化により、受け口の噛み合わせが固定され、より深刻な状態へと進行する可能性があります。
機能性から骨格性へと進行するリスク
受け口には 「機能性下顎前突」 と 「骨格性下顎前突」 があります。機能性下顎前突は、成長や習慣による一時的な噛み合わせの問題ですが、放置すると骨格そのものが受け口の形に適応し、骨格性下顎前突へと進行する可能性 があります。
骨格的な問題になると、矯正治療だけでは改善が難しくなります。
早期治療の重要性
小学校低学年のうちに治療を開始すると、受け口(反対咬合)は改善しやすい ことが分かっています。
成長期に矯正を行うことで、顎の発達を正しい方向へ導くことができるため、将来的に手術を伴う外科矯正を回避できる確率が高まります。
お子様の受け口をご心配の方へ
当院ではお子様のための矯正治療や、良くない癖をなおすトレーニング(MFT)をおこなっています。
気になったら是非一度ご相談ください。
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